1. HOME
  2. ブログ
  3. 駄菓子屋の思い出 その2

駄菓子屋の思い出 その2

「子供のころの懐かしい味」

これは前に書いた近所のおばあさんがやっていた駄菓子屋の話なのですが、その店は冬になると店の一角に一台の大きな鉄板(子供が6人座れるくらいの大きさ)をだしてきて、「もんじゃ焼き」をはじめるのです。駄菓子屋のもんじゃなので値段も安く、安いものだと5円で、そのほか10円、15円のもんじゃもありました。5円だと水で溶いたサラサラの小麦粉にソースを入れて、そこに千切りキャベツ少々、切りイカ少々、紅ショウガ少々を混ぜたものでした。その器を渡されて自分たちで鉄板にタネをあけてかき混ぜながら焼いていくのです。小さなヘラで少しづつ焼いて食べるのですが、10円だと具材の量が少し増え、15円だと生卵1個が加わるというものでした。

どろどろのもんじゃのタネを、裏・表となんどかヘラで返しながら少し焦がして固くなったパリッとしたところを食べるのが一番美味しいのです。ちょっとづつ小さなヘラで焼いて食べながら、具材がなくなったサラサラの汁だけを脇によけておいておくと、カリカリのおこげができるので、そのおこげももんじゃ焼きのお楽しみの一つなのです。どろどろのもんじゃをいかに美味しく食べるかをいろいろ研究したわけです。

テーブルの端には青のりの入った缶が置いてあったので、最後にその青のりを振りかけて食べるとよりおいしく感じられました。

ところがある日気がつくと、いつの間にかその駄菓子屋は店じまいしていることに気がついて、ショックだったのをおぼえています。建物はそのままでしたが、おばあさんはもう年をとって続けることができなかったのかもしれません。わいわいと子供同士でおしゃべりしながら、もんじゃを好きなように焼いて食べることができたので、冬の子どもの社交場のひとつでした。

またこの駄菓子屋は夏になると金魚すくいや、かき氷もやっていて、それも楽しみのひとつだったのです。

昔の駄菓子屋は子供たちをけっこう楽しませてくれる場所だったのです。

関連記事